IHクッキングヒーターで使える鍋は、素材や内側のコーティングの種類もさまざまで、何を基準に選べばよいのか迷ってしまいますよね。
そこで今回は、IH対応の鍋の特徴と選ぶ時に気を付けるポイントを解説します。さらに、機能的でおしゃれな鍋10選も用途別に紹介しますので、ごきげんに料理する場面をイメージしながら選んでください。
更新情報
・「IH鍋おすすめ10商品をプロが厳選|IH鍋の見分け方やメリット・デメリットも紹介」を公開しました。:2024年4月18日(木)
・よりわかりやすく伝えるために、図解を制作し挿入しました。:2024年6月20日(木)
IH対応鍋とガス対応鍋の違いと見分け方
IH対応鍋とガス対応鍋の違いは、鍋の材質です。IHで使える素材は主に、鉄、ステンレス、ホーローになります。オールメタル対応のIHなら、銅やアルミも使用できます。使っているIHがどの素材に対応しているのか、まず確認しましょう。
またIH対応の鍋は、ガス火でも使えます。逆にガス専用のものはIHでは使えません。
どの素材が使われているか分からない場合、IHで使えるかどうかは下記の方法で見分けてください。なお、鍋のメーカーサイトや販売サイトがある場合は、鍋の破損を防ぐためにも、サイトで確認するのが確実です。
- 鍋の底に磁石が付くかどうか
- 鍋底が12〜26cmで平らでありトッププレートに密着するか
- IH本体の電源を入れて反応するかどうか
ガスコンロの場合はデザイン重視で鍋を選べますが、IHの場合は、IHに対応しているかまで確認する必要がありますね。
IH鍋のメリット・デメリット
IH鍋は、電磁誘導により鍋の底を発熱させて温めます。熱効率が高いので、鍋の中を均一に加熱したい時に適しています。火を使わないので火事の心配が少なく、夏も暑くならないので快適に料理ができます。
また、鍋底がフラットなので手入れがしやすいのも、嬉しいポイントです。ただし価格の安いものは鍋底が薄いため変形しやすく、IHからの磁気が鍋底をうまく伝わらず火の通りに時間がかかることもあります。メリットとデメリットを下記にまとめました。
メリット | デメリット |
---|---|
鍋の中が均一に加熱できる 鍋底が平らで手入れが簡単 火を使わないので火事ややけどの心配が少ない | 鍋底の大きさによっては加熱ムラが起きる 安価なものは鍋底が変形することもある |
IH鍋は安くて買いやすいものも多いですが、長持ちする鍋を選ぶなら、多少値段が張っても、鍋底が厚めのものを選びましょう。
IH鍋の選び方
IH鍋を選ぶ際に必ずチェックしておきたい「5つのポイント」をご紹介します。
1.IH鍋の素材をチェック
IH鍋は素材によって特徴があります。つくりたい料理や調理法、お手入れのしやすさなどで選びましょう。
ステンレス
ステンレス製のIH鍋は丈夫で割れにくく、錆びにくいのが特徴です。また保温性は高いですが熱伝導は悪いので、温まるまでに時間がかかります。煮込み料理に適しています。
ホーロー
ホーロー製のIH鍋は、熱伝導がよく保温性にも優れています。余熱調理もでき、煮込み料理が美味しく仕上がります。ただし他の鍋に比べて重く割れやすいので、注意して扱う必要があります。
鉄
鉄製のIH鍋はキズや強火にも強く耐久性があり、正しいお手入れをすると長く使えます。熱伝導がよく、揚げ物・炒め物・焼き物に向いています。
チタン
チタン製のIHの鍋は抗菌作用があり、錆びにくく軽くて丈夫です。熱が直接当たる部分はすぐに熱くなりますが、熱伝導がよくないので全体を均一に温める料理には向きません。
アルミ
アルミ製のIH鍋はどの鍋よりも軽く、安いものが多いので手軽に購入できます。ただし衝撃に弱く変形しやすいので注意が必要です。熱伝導もよいですが、保温性は高くありません。
土鍋
土鍋のIH鍋は、金属製の鍋に比べるとゆっくり温まり、しっかりと保温性があります。土鍋ならではの温かみのある素材感も魅力です。
2.IH鍋の大きさをチェック
IHのトッププレートのセンサーが12〜26cmなので、センサーにおさまる鍋底の大きさのものがおすすめです。センサーより鍋底が大きくても使えますが、センサーが当たっていない部分は反応しないため、均等に火を通すことが難しくなるので、注意が必要です。
下記は鍋の大きさの目安です。
- 1人用:16cm
- 2〜3人用:20cm
- 4〜7人用:24cm以上
センサーの大きさに加え、料理をつくる人数と料理の内容を考えて、鍋のサイズを選ぶと失敗しないでしょう。
3.IH鍋内側の表面加工をチェック
IH鍋の内側の表面加工は、直接食材が当たるのでチェックしておきましょう。内側加工は、主にフッ素加工とセラミック加工の2種類です。それぞれの特徴をお伝えします。
フッ素加工
フッ素加工は、少量の油でも食材がくっつきにくく、焦げにくい非粘着性がメリットです。しかし、使っていくうちに加工が剥がれ、食材が焦げ付くようになるため、数年単位で買い替えも必要です。また360℃以上の高温になると有毒ガスが発生する可能性があるので注意が必要です。
焦げ付きを抑える加工には「テフロン加工」もありますが、これもフッ素加工の一種です。マーブルコート、ダイヤモンドコート、ハードコートなども、フッ素加工の仲間と考えてよいでしょう。
セラミック加工
セラミックとは、陶器やガラスのような、非金属の材料からなる素材のことです。キズに強く耐熱性が高いのがメリットですが、フッ素加工と同じく寿命が短いので数年単位で買い替えが必要です。
フッ素加工のものと違い、高温で空焚きしても有毒ガスが発生する恐れはありません。また、白色のものなら、料理の色がきれいに見えますよ。
4.IH鍋の付属品をチェック
IH鍋を選ぶ時に、一緒にどんな付属品が付いてくるのかも確認しておきましょう。鍋によっては蓋は別売りの場合があります。また蒸し器機能が付いている鍋や、フライパンやサイズの違う鍋など数点セット販売されているものもあります。セットだとお得な場合があるので、状況に合わせて検討しましょう。
5.SGマークがあるかチェック
SGマークとは「Safe Goods(安全な製品)」の頭文字で、一般社団法人 製品安全協会が定めた安全基準をクリアした製品に付けられています。IH対応の鍋の場合「SG CH・IH」や「SG IH」と表記されています。
SGマークの取得は義務ではないので、マークが付いていない鍋も多く販売されています。SGマークがなくても問題なく使えることがほとんどですが、SGマークが付いていれば万が一事故が起きた場合に補償があります。
IH鍋の素材の特徴を知っておくと、つくる料理によって適した鍋を選ぶことができますね。
IHのおすすめ10商品
ここからは、インテリアアドバイザーで調理師でもある筆者がおすすめのIH鍋10商品を紹介します。おうち時間がもっとごきげんに過ごせそうな商品を厳選しましたので、ぜひ参考にしてみてください。
本記事で紹介する商品一覧
アイリスオーヤマ
両手鍋DIS-P26
専門家が選ぶおすすめポイント
耐久性あるダイヤモンドコーティング
こびり付きにくいダイヤモンドコーティングの両手鍋です。とろみのあるソースもスルッと注ぐことができ、汚れも簡単に落ちるので楽に洗えます。耐摩耗性試験では約50万回の使用をクリア。コーティングが剥がれにくく、長持ちするのも嬉しいポイントです。
用途に合わせて選べる
両手鍋のシリーズは、サイズが26cm以外にも20cm・24cm・28cm・22cm深型・28cm浅型があります。人数や料理によってサイズを変えてセットで持っておくと、キッチンも統一されておしゃれです。またカラーもホワイト・ブラック・ブラウンの3色あり、インテリアに合わせて選べます。
ごきげんポイント
焦げ付きにくい深鍋なので、カレー鍋として重宝しそうです。サイズのバリエーションが多いので、家族の人数によって選べますね。
商品の詳細情報
ストウブ
ピコ ココット 22cm ラウンド 鋳鉄
専門家が選ぶおすすめポイント
煮込み料理以外にも使える鍋
鋳物ホーロー鍋は煮込み料理が美味しくなることで有名ですが、ストウブは煮る・焼く・蒸す・揚げる・炊く・オーブン・燻すの7通りが可能。煮込み料理以外にハンバーグのように焼く料理や、オーブンを使うローストポークやパンなどもつくれます。1つ持っているだけで、料理の幅が広がりますよ。
料理が美味しくなる蓋裏の秘密
蓋の裏には「ピコ」と呼ばれる丸い突起がついてます。食材の水分が加熱によって水蒸気となり、「ピコ」に当たることで、水分となって食材に戻ることで、鍋の中で水分が循環する仕組みになっています。旨みを閉じ込め、ふっくらジューシーに仕上がります。
ごきげんポイント
高価な鍋ですが、使える用途が多くとても便利です。結婚や新築祝いなどのプレゼントにもおすすめです。
商品の詳細情報
アーネスト
燕三条 雪平鍋 ステンレス
専門家が選ぶおすすめポイント
シンプルで軽く扱いやすい
シンプルで無駄がないデザインの雪平鍋です。表面の凹凸は変形しにくく、耐久性に優れています。また熱が伝わりやすく、調理にムラが出ないので料理初心者の方にもおすすめ。注ぎ口が両側についているので、注ぎやすいのも嬉しいポイントです。
食洗機が使えお手入れがラク
ステンレス製で軽く、お手入れも簡単です。鍋の内側に取手を接合した金具がないので、洗う時に引っかかりがなく、きれいに洗えて衛生的です。食洗機にも対応しています。
ごきげんポイント
ステンレスなので保温性はありませんが、つゆやソースをつくる時、ラーメンを茹でる時、汁物などサッと料理をつくる時などに便利そうです。
商品の詳細情報
和平フレイズ
紅丈膳 IH対応フチ付卓上鍋
専門家が選ぶおすすめポイント
軽くて扱いやすいアルミ製
アルミ製で軽いのでもち運びやすく、扱いやすいのが特徴。土鍋が重たすぎると感じている方にはピッタリの卓上鍋です。こちらは24cm、8号の3〜4人用のサイズで、重さは1090gです。同じサイズの土鍋と比較して約半分の重さなので、もち運びだけでなく、洗う時もあまり重くありませんよ。
使いやすい工夫が魅力
蓋はガラス製なので、調理中でも鍋の中の様子を確認できます。また、蓋のもち手にある凹みに菜箸が置けたり、ふきこぼれしにくいつくりになっているなど、使いやすい工夫が施されているのも魅力です。
ごきげんポイント
高齢の家族がいる実家でこの鍋を使っています。力の弱い高齢者では、土鍋を使うと危ないので重宝しているようです。鍋やおでん、カレー、スープなどをつくる時に便利です。
商品の詳細情報
銀峯陶器
花三島IH土鍋8号 645-2-81D
専門家が選ぶおすすめポイント
日本の代表的な土鍋がIH対応に
土鍋はIHでは使えない素材ですが、土鍋のトップブランドでもある銀峯陶器のIH対応土鍋が花三島IH土鍋です。鍋底に着脱可能な発熱プレートを置くことで、IHでも使用可能に。もちろん、直火でも使えます。
グレーに白の大きな花模様が可愛く、シリーズで揃えても◎。保温性が優れており、お鍋はもちろん煮込み料理や炊飯にもおすすめです。
萬古焼(ばんこやき)の歴史を受け継ぐ
江戸時代から続く、三重県の伝統的な焼き物「萬古焼」の鍋です。土鍋は強い火力では割れてしまいますが、戦後、火力の強いガスでも割れないように改良され、現代ではIHにも対応するという進化を続けています。
ごきげんポイント
土鍋で炊いたご飯は美味しいので、お米好きの友人にプレゼントしてみようと思いました。IH対応なら、贈り先の家のキッチンがIHかガスか確認する必要がありませんよ。
商品の詳細情報
KINTO(キントー)
KAKOMI IH土鍋 2.5L 25192
専門家が選ぶおすすめポイント
料理の匂い移りがしにくい素材
本来なら陶器はIHに対応していませんが、KAKOMIは底に特殊な発熱体が焼き付けられているのでIHで調理ができます。
また、吸水率の低い陶器を使用しているので料理の匂いが鍋に移りにくく、カビの心配もいりません。料理を選ばず、清潔に保てるので1つは持っておきたくなる鍋ですね。
蒸料理もできて、スタイリッシュ
すのこ付きなので、鍋料理だけでなく蒸し料理もできます。土鍋感がない洗練された形で、色もホワイトとブラックの2色展開。どちらもかっこよく存在感があります。いつものお鍋でもワンランク上の空間が演出できますよ。
ごきげんポイント
洗練されたデザインの土鍋なので、置いておくだけでキッチンがおしゃれに見えそうです。シンプルなので、どんなキッチンにも合いそうですね。
商品の詳細情報
ティファール
オプティスペースIH ステンレス マルチポット
専門家が選ぶおすすめポイント
コンパクトでマルチに活躍
直径が16cm、本体の高さは蓋ありで13.6cmとコンパクトな片手鍋です。深型ですが用途は多彩。朝食用にちょっとしたおかずを炒めたり、1人ランチに麺を茹でたりと、いろいろな場面で活躍します。
また揚げ物や煮物にもよい大きさです。収納スペースも取らないので、鍋のまま冷蔵庫に入れることもできます。形も可愛いので、見せる収納としてトッププレートに置いたままでも素敵です。
ティファール独自のコーティングが魅力
ティファール独自の「チタン・インテンスコーティング」を採用。耐久性が高くこびり付きにくいので、お手入れも簡単です。
またティファールはPFOA(有機フッ素化合物)、鉛、カドミウムを使っていません。
ごきげんポイント
この形の深い鍋は色んな用途で使えるので、とても便利です。1人暮らしの人で、何品も料理をつくらないなら、この鍋1つで十分かもしれませんよ。
商品の詳細情報
ハリオ
フタがガラスのIH対応ご飯釜雪平 GIS-200
専門家が選ぶおすすめポイント
おしゃれな雪平のご飯釜
ご飯を炊くための鍋です。アルミとステンレスの4層構造で、熱がまんべんなく伝わり、ご飯が美味しく炊き上がります。また内側はフッ素加工で、ご飯がこびり付きにくく、洗いやすいのも嬉しいですね。ご飯だけでなく煮物も美味しく仕上がります。
ガラスの蓋にもこだわり
蓋は、耐熱性に優れたハリオの天然鉱物100%のガラスを使用。お米の炊ける様子が見えるのも楽しいですよ。フォルムもかわいく、このまま食卓に置いても華やかです。
ごきげんポイント
炊飯ジャーで炊くお米とぜひ比べてみたいですね。お米にこだわりのある方に特におすすめです。
商品の詳細情報
パール金属
クイックエコ 3層底切り替え式圧力鍋3.5L H-5040
専門家が選ぶおすすめポイント
保温性に優れた3層構造の圧力鍋
ステンレスとアルミの3層構造で保温性に優れた圧力鍋です。鍋底が焦げ付きにくく、洗いやすいこともおすすめのポイント。蓋はスライド式で簡単に開閉できるのも魅力的です。パール金属のクイックエコは圧力鍋の中でもコンパクトで扱いやすいので、圧力鍋を初めて使う人にもおすすめです。
コスパよく時短で料理ができる
圧力鍋はお値段もそれなりにするものが多いですが、クイックエコは手軽に購入できる価格です。しかし実力は間違いなく、時短料理が可能。さらに圧力を2段階で調節できるので、魚や野菜といった煮崩れしやすい食材は低圧で、肉の塊など火の通りにくい食材は高圧でと、使い分けも可能です。
ごきげんポイント
圧力鍋の中には、焦げ付いて洗うのが大変なものもあります。焦げ付きにくいのは嬉しいですね。
商品の詳細情報
Cokwer
蓋付 天ぷら鍋
専門家が選ぶおすすめポイント
鉄製で揚げ物におすすめ
IHで使える鉄製の天ぷら鍋です。鉄製のため熱伝導がよく、すぐに油の温度が上がり保温性もあります。鉄製ですが黒だけでなくカラーバリエーションがあるのも嬉しいポイントです。大きさも20cmと24cmから選べます。
揚げ物がしたくなる機能付き
蓋を開けるとそのままバット代わりになります。鍋側に向かって油が落ちるように設計されており、揚げ物が落ちないようにストッパーも付いています。
調理後は残った油を保存容器に移し替えられるように、注ぎ口があるので便利です。複雑な仕組みに見えますが分解も簡単で、温度計以外は水洗いできます。
ごきげんポイント
揚げ物をすると飛び散った油の片付けが大変だからと揚げ物を避けている家庭も多いようです。油が飛び散りにくい形なので、手軽に揚げ物ができそうです。
商品の詳細情報
編集後記
本記事を担当した専門家より
IHで使える鍋はたくさんありますが、その中でも同じような鍋が被らないように厳選しました。鍋1つを選ぶにしても、どんな料理をつくるか、何人に振る舞うのかで選ぶものがまったく違ってきます。それぞれの用途でお気に入りの1つを見つけていただけると嬉しいです。
本記事を担当した編集者より
IH鍋も素材や加工で色んな種類があるんですね。また商品や特徴によって、適した調理法があるようなので、使い分けることで料理上手になれそうです。おしゃれなものもあるので、あなたのライフスタイルや普段つくる料理に合わせたお鍋を選んでくださいね。
ルルルンライフでは、他にもフライパンを紹介する記事もあるので、ぜひチェックしてみてくださいね。素材別におすすめの料理なども分かりますよ!
本記事を担当した企画者より
我が家はガスコンロなのでIH対応アイテムは使用できません。その代わりに、今回の特集はギフトで探している人にも便利だなと思いました。引越し祝いや結婚祝いで贈れば、お相手のおうち時間も充実しそう。
プレゼントなら、サイズや色味も豊富な「ストウブ」が王道ではないでしょうか。いまだと“海の世界”を表現した新コレクション「cocotte ocean(ココット オーシャン)」に注目してます。
本記事の担当した責任者より
我が家では、まさにIHでして、ストウブの緑色を愛用しています!
今回気になったのは、一家に一台といっても過言ではない?銀峯陶器さんからIH対応土鍋が販売されていたこと!これあるだけで一気にほっこりする感じを覚えます。
ちなみに、プライパンをお探しの方はこちらの記事も参考にしてみてください。
電気圧力鍋のおすすめ商品も専門家の方に選んでいただきましたので、こちらもどうぞ!