「何度も肌荒れを繰り返している」「普段通りのスキンケアをしていても、ニキビや乾燥が気になる」そんな肌悩みは、ストレスが原因かもしれません。ストレスは自律神経やホルモンバランスを乱れさせ、肌荒れを引き起こすことがあります。
今回はストレスと肌荒れの関係や、ストレスで肌荒れを起こしやすい場所、肌荒れ時のスキンケア方法について紹介します。
更新情報
・「ストレスと肌荒れの関係|スキンケア方法をプロが解説 #ストレス #肌荒れ」を公開しました。:2025年2月19日(水)
ストレスと肌荒れの関係
ストレスと肌荒れには密接な関係があります。ここでは、ストレスと肌荒れの関係について詳しく解説します。
自律神経の乱れ
ストレスが原因で自律神経が乱れ、肌荒れを起こすことがあります。
自律神経とは、意思とは関係なく体の機能を維持するためにはたらく神経のことです。「交感神経」と「副交感神経」の2種類で構成されています。通常、体や脳が活動する時には交感神経が優位になり、休息する時には副交感神経が優位になります。それぞれの神経は、休むことなく呼吸や心臓の動き、栄養素の代謝など、全身の機能をコントロールしています。
しかし強くストレスを感じると、交感神経と副交感神経のバランスが崩れやすくなります。特に交感神経が優位になりやすく、その結果、血管を収縮させて血流が悪化する恐れがあります。
血流が悪くなると、肌に栄養が十分に行き届かなくなり、バリア機能が低下してニキビや乾燥などのトラブルが生じやすくなります。
ターンオーバーの乱れ
ターンオーバーとは、皮膚の細胞が生まれ変わるサイクルのことです。健康な肌では、通常28日程度で古い細胞が垢として剥がれ落ち、新しい細胞が生まれます。
しかしストレスによって自律神経が乱れると、ターンオーバーの周期も乱れやすくなります。ターンオーバーの周期が乱れると、古い角質が蓄積して肌がゴワついたり、刺激に敏感になって赤くなるなど、肌荒れを引き起こす原因になります。
ホルモンバランスの乱れ
ホルモンにはさまざまな種類がありますが、女性の肌荒れに大きく関係するのは「エストロゲン」と「プロゲステロン」という2種類の女性ホルモンです。
エストロゲンは美肌作用が期待できるホルモンで、生理が終わってから排卵日にかけて多く分泌されます。一方プロゲステロンには、皮脂を多く分泌させる作用があり、特に排卵後から生理開始日にかけて多く分泌されます。
生理周期に応じて肌が荒れる経験をしたことがある方もいるかもしれませんが、それはこの女性ホルモンの分泌量が影響している可能性が高いと言えます。
女性ホルモンの分泌量は、生理周期の他、ストレスによっても変動することがあります。ストレスにより、プロゲステロンの分泌量が増加して皮脂が増えると、毛穴が詰まってニキビができやすくなります。
ストレスによる肌荒れの特徴、できやすい場所
ストレスによる肌荒れは、特定の部位にできやすいケースがあります。ここでは、ストレスによる肌荒れの特徴や、できやすい場所について解説します。
目の周りや口の周り
ストレスが原因の肌荒れの場合、目の周りや口の周りが乾燥しやすくなることがあります。
目の周りや口の周りは元々皮脂の分泌量が少なく、乾燥しやすい部位です。ストレスによって自律神経やターンオーバーが乱れると、肌に栄養が行き届きにくくなり、より皮脂の分泌量が減って乾燥しやすくなることがあります。
フェイスラインやあごの周り
ストレスが原因のニキビは、特にフェイスラインやあごの周りに集中しやすくなると考えられています。
特にフェイスラインは髪の毛が触れたり、マスクやマフラーなどによる摩擦の刺激を受けやすく、肌が敏感になりやすい部位です。またあごは皮脂を分泌する皮脂腺が多い一方で、汗腺が少なく、油分と水分のバランスが乱れやすい傾向にあります。
そのためストレスによって自律神経やターンオーバーが乱れると、フェイスラインやあごの皮膚がさらに敏感になったり、皮脂が詰まりやすくなってニキビができたりすることがあります。
肌荒れしている時のスキンケア
ストレスが原因で肌荒れしている時は、普段よりも刺激に配慮した丁寧なスキンケアを行うことが重要です。ここからは、肌荒れしている時のスキンケアについて解説します。
洗顔
肌荒れを起こしている時は、肌に負担をかけない丁寧な洗顔を心がけましょう。
ストレスでニキビができたり、乾燥がひどい時は、バリア機能が低下して肌が敏感に傾いています。そのため、洗顔時に肌を擦るなどの刺激を与えてしまうと、肌荒れが悪化する恐れがあります。
肌荒れを起こしている時は、豊富な泡で優しく洗顔することが重要です。泡立てネットを使用して濃密な泡を作り、顔全体を包むようにして洗いましょう。
まずは皮脂の多いTゾーンから洗い、続いて皮脂の少ない目元や口元を洗います。この時、手で肌を擦るのではなく、手と顔の間で泡を転がすようなイメージで行うと良いでしょう。目元や口元などの乾燥しやすい場所は泡を乗せる程度で十分です。泡を乗せる時間が長いほど、皮脂が流されて乾燥しやすくなるため注意しましょう。
洗顔後はぬるま湯(33〜35℃)で泡を流し、柔らかいタオルで水分を吸い取るように優しく押さえましょう。
保湿
肌荒れしている時は、十分に保湿することも重要です。
洗顔後は皮脂が洗い流されて、乾燥しやすい状態です。そのため、速やかに水分を補うようにしましょう。
また水分だけでなく、適度な油分も補うことで、乱れたバリア層が整いやすくなります。特に乾燥による肌荒れが気になる場合には、油分が配合されたスキンケア製品を取り入れることがおすすめです。
肌荒れの時におすすめの成分には、高い保湿効果が期待できる「グリセリン」、肌荒れを防いで健やかな肌に導く「ツボクサエキス」、バリア機能や水分保持力のケアに役立つ「ナイアシンアミド」などがあります。
ニキビが気になる場合には油分の多い保湿剤は避け、「ノンコメドジェニック」などニキビができにくい処方のものを選ぶと良いでしょう。
紫外線対策
肌荒れを起こしている時は、いつも以上に紫外線対策を入念に行いましょう。
紫外線にはUVA・UVB・UVC波の3種類があります。UVC波は人体に悪影響を及ぼすことはないと言われていますが、UVA波とUVB波は肌に炎症を起こしたり、シミやシワの原因になると考えられています。
肌荒れを起こしている時は、バリア機能が低下して紫外線に対しても過敏になっているため、紫外線をしっかりと防いで肌を守ることが重要です。
紫外線は夏だけでなく一年中降り注いでいるため、季節に関わらず毎日紫外線対策を行うようにしましょう。紫外線対策を忘れないよう、朝のスキンケアに日焼け止めを取り入れることがおすすめです。
日焼け止めは保湿剤と同様、ニキビができにくい処方のものや、敏感肌向けのものを選ぶと良いでしょう。また日焼け止めに加え、日傘や帽子などを使用するとより効果的です。
まとめ
今回はストレスと肌荒れの関係と、肌荒れ時のスキンケア方法について紹介しました。
ストレスは自律神経やホルモンバランスに影響してバリア機能を低下させ、ニキビや乾燥の原因になることがあります。
ストレスを感じて肌が敏感になっている時には、優しい洗顔や十分な保湿、入念な紫外線対策を行い、肌への刺激に配慮した丁寧なスキンケアを心がけましょう。適切なスキンケアを行っても乾燥やニキビ、赤みなどが改善しない場合には、医療機関を受診することも大切です。