「寝不足で肌が荒れるのはなぜ?」と気になったことはありませんか?睡眠と肌には密接な関係があり、適切な睡眠習慣によって肌の健康を保つことにつながります。
この記事では、睡眠と肌の関係や睡眠不足で肌が荒れる理由、健康的な肌を目指すための睡眠時間について解説します。睡眠習慣を見直して健康的な肌を目指しましょう。
更新情報
・「寝不足で肌荒れになるのはなぜ?睡眠と肌の関係と肌にいい睡眠時間を解説 #睡眠 #肌」を公開しました。:2025年4月15日(火)
睡眠と肌の関係
睡眠と肌には深い関係があります。ここでは、健康的な肌に睡眠が重要な理由や、寝不足で肌が荒れる理由について解説します。
健康的な肌に睡眠が重要なわけ
肌の健康には、睡眠時に分泌されるホルモンが関わっています。
睡眠時に分泌される「成長ホルモン」は、コラーゲンやヒアルロン酸などの生成に関わる他、肌の細胞が入れ替わる「ターンオーバー」を促進させることも分かっています。
正常な肌では、約28日周期で肌の細胞が入れ替わると言われています。しかし、睡眠不足などで成長ホルモンの分泌量が低下すると、ターンオーバーの周期が乱れ、古い角質が残るためシミが排出されず、肌に残るのです。
また、自然な睡眠に導く「メラトニン」というホルモンの高い抗酸化作用によって活性酸素を取り除き、老化を遅らせる効果も期待できると言われています。
いずれも健康的な肌を保つ上で欠かせないホルモンであるため、適切な睡眠によってホルモンバランスを保つことが重要であると言えます。
寝不足で肌が荒れるわけ・肌に与える影響
寝不足によってホルモンバランスや自律神経が乱れると、肌が荒れる原因になることがあります。
睡眠時間が減少すると、成長ホルモンの分泌量が低下し、ターンオーバーの周期が乱れることが考えられます。本来は垢として剥がれるはずの古い角質が肌に残り、シミやくすみが蓄積します。さらに、ヒアルロン酸やコラーゲンも減少して乾燥や小じわの原因にもなります。
また、寝不足によってメラトニンの分泌量が低下すると、活性酸素が増えて細胞が障害され、肌の老化を促進させることも考えられます。
さらに、国内で行われた研究によると、睡眠を中断することで自律神経のバランスが乱れることも分かっています。このことから、熟睡できずに途中で目が覚めてしまう人も、自律神経の乱れが起きやすくなるため、より深く眠れる環境を整えることが必要といえます。
自律神経は体の状態を適切に保つために働く神経で、体を動かすときに働く「交感神経」と休めるときに働く「副交感神経」の2つで成り立っています。
通常、交感神経は活動時に働きますが、寝不足になると夜間も交感神経が優位になります。交感神経は男性ホルモンを活性化させる作用があるため、皮脂の分泌量が増えてニキビができる原因になりかねません。
睡眠不足はホルモンバランスや自律神経にも悪影響を及ぼし、健康だけでなく美容や肌にも悪影響を及ぼすことが考えられるのです。
美容によい理想的な睡眠とは
美容によい理想的な睡眠とはどんなものなのか、気になっている方も多いでしょう。ここでは、肌によい睡眠時間について解説します。
肌によい睡眠時間
肌によい睡眠時間は、7〜9時間程度と言われています。
睡眠時間と肌の関係について行われた研究では、睡眠時間が7〜9時間のグループは、5時間以下のグループと比較して、肌の状態が良好だったと報告されています。
しかし、国内の統計では、睡眠時間は6〜7時間程度の人が多いことが分かっています。仕事や家事、子育てとやることが多く、働き世代にとって十分な睡眠時間を取ることは難しいかもしれません。しかし、肌のためには最低でも7時間程度の睡眠時間を確保する必要があると言えるでしょう。
理想的な就寝時間
これまでは22時から2時を「肌のゴールデンタイム」と呼び、22時までに就寝するのが理想的といわれていました。それは当時の日本人の多くが22〜23時に就寝していたからです。
しかし、現代人は忙しく、この時間帯に仕事をしている人もいるでしょう。ではこのような生活スタイルの現代人は、肌のゴールデンタイムを利用できないのかというと、そうではありません。
近年は22時から2時が肌のゴールデンタイムという考え方に対して、異論を唱える専門家が増えてきました。肌のゴールデンタイムは特定の時間帯に固定されているのではなく、入眠してから3時間後に成長ホルモンが分泌されるからです。
就寝時間が遅くなった現代では、入眠してから3〜4時間をしっかり眠ることが重要という考え方に変わってくるでしょう。
そうであったとしても、十分な睡眠時間を取ることは必要なので、朝起きる時間から逆算して、できる限り7時間以上眠れるような就寝時間を守ることが大切です。
よい睡眠を取るためのおすすめの生活習慣
よい睡眠を取るためには、生活習慣を整えることが重要です。ここでは、よい睡眠を取るためにおすすめの生活習慣を4つ紹介します。
朝日を浴びる
朝日が目に入ると、眠気を誘うメラトニンが抑制されて覚醒すると同時に、セロトニンが分泌されます。セロトニンは「神経伝達物質」の1つで、精神を安定させる作用があります。
セロトニンは、起床してから約14〜16時間後に分泌されるメラトニンの原料になるため、セロトニンを体内でつくっておくことが必要です。
また、起床時に朝日を浴びると体内時計が整い、睡眠と覚醒、ホルモン分泌などのリズムを正常化します。夜間に自然と眠くなり、質のよい睡眠を取れるようにするためにも、早起きを習慣にして朝日を浴びるようにするとよいでしょう。
夜間はリラックスできる環境を整える
夜間にリラックスできる環境を整えると、より充実した睡眠を取ることができます。
就寝前に激しい運動をしたり遅くまでスマホを使ったりしていると、脳が覚醒して眠りにくくなってしまうことがあります。
自然な眠気を促し、質のよい睡眠を取るためにも、就寝前3時間程度は運動やスマホの使用を避け、ゆったりとした気持ちでリラックスして過ごすとよいでしょう。
ハーブティーを飲んだりヒーリング音楽を聞いたりすることで副交感神経が優位になり、眠りにつきやすい状態へ導くことができます。また、入浴後に軽いストレッチをすることで体がほぐれ、リラックス効果が期待できるでしょう。
肌に負担の少ないパジャマを着用する
就寝時は肌への不快感が少ないパジャマを着用することでも、不快感で中途覚醒することなく快適に眠ることができます。
睡眠中はコップ一杯程の汗をかくと言われており、通気性の悪い衣服を着用すると不快感で覚醒することがあります。また、暑い時期はあせもができ、かゆみなどで睡眠を妨げる可能性もあります。
そのため、通気性のよいパジャマを着用して快適な睡眠環境を整えることが重要です。肌触りがよく、通気性・吸水性のすぐれたお気に入りのパジャマを探してみましょう。
就寝前にしっかりと保湿をする
睡眠時は空気の乾燥や寝具との摩擦などで肌が乾燥する可能性があるため、就寝前にしっかりと保湿することが重要です。
入浴後は化粧水で肌を整え、乳液やクリームなどでしっかりと油分を補給し、入眠中に肌のうるおいを逃がさないようにしましょう。
いくつもの製品を使って保湿するのが面倒という場合には、高保湿タイプのオールインワン美容液を使用することもおすすめです。
まとめ
今回は、睡眠と肌の関係について解説しました。睡眠時には肌の健康に欠かせないホルモンが分泌されます。ホルモンバランスを整えるためにも、快適な眠りと十分な睡眠時間を確保することが重要です。早寝早起きの習慣をつけてよい睡眠を取ることで、内側から健康的な肌を目指すことができるでしょう。
- ねむりの応援団 「睡眠と美容の深い関係とは?理想の肌を手に入れる方法」
- TAISHO BEAUTY ONLINE 「肌のターンオーバーとは?乱れる原因や改善ケアについて」
- 資生堂 「資生堂、免疫機能が整っている人の肌は睡眠の乱れによる影響を受けにくいことを発見 ニュースリリース詳細」
- ニキビコンシェルジュ 「最適な睡眠時間」
- 阿部裕子ほか 「主観的睡眠状態と肌状態との関連」
- エスエス製薬 ハイチオール 「睡眠と肌荒れの関係」
- メディプラス 乾燥予防研究所 「肌と睡眠の関係||美容のために意識したい生活習慣と入眠前のNG行動」
- サントリーウエルネス 「幸せホルモン「セロトニン」とは?セロトニンの作用と増やす方法を解説」
- 大原薬品工業 「第一回 疲れ、だるさのおなやみに。セロトニンのヒミツを探る!」